2023年の独り言

by 梶井厚志

2023年12月某日

8月から、大学の教育支援システムLUNAが新しくなった。このご時世に新しくなるのだから、ずいぶんと便利になるものだろうと期待していたがさにあらず、この新LUNAにはずいぶんと泣かされた。

単純なアップグレードだろうと考えていたのが浅はかで、今になって昨年送られてきた大学からの通知をよく読んでみたら、これは全く違うシステムだそうだ。現在のシステムはキャノンITソリューションズというところが管理していて、関学はここに外注しているのだが、この運営会社自体が旧システムとは異なる会社だ。そのためか旧システムとの後方互換性は一切ない。つまり、より優れた後継機としてではなく、全く新しい道具と考え使ってくれということだったらしい。それはそれで潔い態度であるが、コロナと格闘しつつ3年かけて作った教材は大半が無用の長物となった。

もっとも、後方互換性を持たせるためには様々な工夫が必要で、そうすると新システムが使いにくくなり、その能力がそがれるという言い分もあろう。ところが、この新LUNAは使い勝手はお世辞にも良いとは言えない。書き込みが難しく、自分が書いたものを推敲編集するのには、ちょっとした努力が必要である。学生が書いた質問などをこちらから発見するには、努力だけではなく幸運にも恵まれなければならない。自己主張が強いというのか、マニュアルをきちんと読まない私のようなユーザーの「過ち」を許容しない。ではマニュアルを熟読してやってみるとうまくいくかというと、こちらの思った通りの動作をしてくれないだけでなく、様々な不具合を発症させてこちらを忙しくさせてくれる。

私はもちろんこのようなシステムに関して全くの素人なのだが、設計思想に根本的な誤りがあると感じる。少なくとも、ユーザーの利便性を高めようとする意欲を私は感じない。このようなシステムを利用して授業をしたことがない人間が設計したものではなかろうかと勘繰りたくなる。学期途中での授業プラン変更は困難だから、泣く泣く今学期はこの新LUNAと付き合ったが、ここにきて私は全く疲れはててやる気を失ってしまった。

幸いにも、来年は大人数の科目の講義担当がないから、このような教育支援システムを使う必要がない。再来年度からは、当初から新LUNAに頼らない授業計画をしようと心に決めたところである。


2023年11月某日

太陽光パネルと充電池を買った。太陽光パネルで作った電気を、充電池にためておくのである。電気が止まった時の備えでもあり、また多少の電気代の節約にもなろう。1日中暖房をつけている冬に電気が止まると一大事。我が家の主力暖房は灯油ヒーターだが、電源がないと動かないからだ。いざというときには、充電池から電源をとり、この灯油ヒーターを動かすというのが防災構想である。

子供のころ、呉の祖父母の家には、屋根の上に太陽熱を利用して水を温めるタンクがあった。朝そこに水を注入しておくと、午後にはかなり熱いお湯が使える。風呂に使うには、水を足さなければならないほど熱い。太陽を利用し、朝に水を入れておくだけでお湯をふんだんに使えるこの仕組みは、当時の私には現代の科学を結集した技術にみえたものである。

北海道で、屋根の上に水タンクを置くのは賢いとは言えない。少なくとも冬には使えない。中に水を入れると凍結し、タンクやそれにつながるパイプを壊してしまうからである。では太陽光パネルはどうかというと、水が凍結する温度でも、発電をしてくれるらしい。熱で温めるのではなくて、太陽エネルギーを吸収して電気に変えているからだ。実際、0度近い気温でも、きちんと発電してくれた。とはいえ、温水システムに感激した思い出のある私には、寒くても大丈夫というのが不思議で仕方がない。

使ってみて分かった問題点2つ。まず第1に、我が家には風が強くあたるため、太陽光パネルが風で動いてしまう。ひどい時には飛ばされる。それで、ウッドデッキに出してある椅子にひもで括り付けることにしたのだが、恰好は悪いし効率も悪そうである。まだまだ改善の余地がありそうだ。日曜大工でパネルの台を作ってやろうかと検討中。第2に、パネル自体は寒くても動作するようだが、充電池の動作は0度から40度と書いてあり、この範囲外だと充電できないかもしれないとのこと。どうなるかは昼でも氷点下になる真冬に実験してみなければならないが、充電池を何かにくるめば対応できるのではないかと、こちらも検討中。


2023年10月某日

カメムシを見かけるようになった。先日も、車の中に1匹いて、丁寧に車外に出したのだが、やっぱりやられた。こいつは触られると、そこに異臭を残していくのである。しかも、このにおいがなかなか消えない。触った指にも残るし、そもそも車内が臭くなる。全く持って厄介である。

京都にいる頃には、大量のカメムシに襲われたことがある。経緯はこうだ。カメムシは寒いのが苦手で、秋になり気温が下がってくると、様々なものの隙間に潜り込んでくる。冬を超える工夫であろう。当時利用していた山小屋で使っていた布団も格好の退避場所だったようで、たたんであった布団を冬に備えて片付けるためいったん開いたら、無慮大数のカメムシがそこら中からうごめきだしてきた。その時の異臭は大したもので、布団は二度と使えなくなった。

しかし、山の中とはいえ、京都の秋にいそいそと布団に潜り込んでくるような昆虫が、どうして夏でも気温の低い北海道にいるのだろう。調べてみると、かつて北海道にはカメムシはいなかったらしい。今北海道で見られる理由は明確ではないものの、やはり温暖化の影響がおおきいようだ。しかも、何せ今年は猛暑だったから、様々なものに紛れ込み南からやってきたカメムシたちは、特に不便な思いをせず過ごし、その数を増やしたに違いない。冬を越せずに一掃されてくれればありがたいが、さてどうなることか。


2023年9月某日

シンガポールに行った。京都にいる頃、毎年この時期にシンガポールに行くとずいぶんと涼しく感じたものだ。今は北海道に住んでいるから、9月のシンガポールにそれほど食指は伸びなかったのだが、今年の北海道は猛暑だったので、存外悪くなかった。何せ我が家には冷房機がない。

シンガポールの物価は、2019年のコロナ前より1割以上は上がったという印象だ。統計的にも、今のインフレ率は年率換算で5%以上で、2年もしないうちに1割上がる計算だ。世界的な物価上昇は昨年からだから、印象と統計が合致している。ともあれ、物の値段は明らかに高くなった。

しかも円安である。2019年の9月には、1シンガポール・ドルは80円を少し下回るくらいだった。ところが今の1シンガポール・ドルは110円に近い。たとえば1杯あたり10ドルのビールは、コロナ前の2019年9月には800円出すとおつりが来た。2023年の今だと、まずビールの値段が11ドルをはるかに超えていて、しかも1ドル110円だから1200円だしても足りない。800円出しておつりが来たのに1200円でも足りないとすると、円建ての体感は5割増しである。 つまり、日本円で考えざるを得ない人々は、わずか4年間で5割物の値段が上がったと感じるのだ。


2023年8月某日

関西は熱波に襲われているらしい。7月半ばにこちらに戻ってから、学校には行っていない。次に行くのは9月の終わりころで、そのころまでにはさすがに気温は下がっているだろう。

とはいえ、北海道も猛暑だ。わが町でも気温30度以上まで上がり、これは観測史上最高らしい。これが札幌だと、34度まで上がった日があるそうで、これからも猛暑日になる可能性があるという。

雨が降らないから、庭が乾燥して困る。暑さと乾燥で、愛する芝にも元気がない。夕暮れ時になって、芝に水をやるのがこのところの日課である。


2023年7月某日

この時期、我が家の庭ではラベンダーが花盛りだ。4種類のラベンダーを植えているのだが、越冬するのは1種類だけで、これは有名な富良野のラベンダーと同系統のもの。京都から持ってきたのは、夏の暑さには強いのだが寒いのは苦手らしい。毎年冬に工夫を凝らすが越冬できたのは1回だけで、しかも同じ条件下に3株あった中で1株だけ生き残ったから、何が良かったのかわからず、その後は再現できない。ラベンダーは容易に挿し木ができるので、毎年2・3株つくって鉢植えにし、家の中で越冬させる。他の2つも越冬はせず、これらも挿し木で越冬隊を作って春に庭に植えるのである。

手間はかかるが、ラベンダーの花盛りは長くて楽しめる。花盛りを楽しんでいるのは私だけではなく、見ていると様々な蝶がやってきて、紫の花と緑の葉に色どりを添える。白・黄色・まだら模様の蝶、それに少し大型で紫がかったアゲハ蝶もひらひらとやってくる。蜜を吸っているのだろう。小型の蜂が飛び回っているいることもある。ミツバチなのだろうか。もっと体の大きい、丸い腹をした蜂もよくやってくる。蝶を追いまわすことはないので、蜂たちも蜜が目当てなのだろう。花盛りといってもラベンダーの数は10株ほどなので、そんなに大勢で吸ったら枯渇するのではないかと心配になるが、毎日やってくる。

パセリの花も満開だ。パセリは2年草で、今花を咲かせているのは昨年発芽して越冬した連中である。これらには全く手間をかけないのだが、花が終わると勝手に種をまき散らして越冬しすくすくと育つ。とはいえ邪魔者ではなく、葉は香りがよく美味だから重宝する。朝起きたら、その日に食べるパセリを摘むのが日課だ。2年目のパセリは茎を長く上に伸ばし、頂上に花を咲かせるのだが、その黄色っぽい花は地味で目立たない。とはいえ、こちらの花にも客がたくさん来る。種類はよくわからないが、アブの親戚のようなものや、羽の生えたアリのような昆虫がたくさんやってきて、パセリの林の中を飛び回っている。この昆虫たちの目当てが何なのかはわからない。


2023年6月某日

穂別を経由して、夕張見物に出かけた。現在のむかわ町は、鵡川町と穂別町が合併してできた町で、鵡川と穂別に町がある。鵡川は海沿いで、穂別は山の中だ。

まずは、穂別の町中にある温泉施設を目指した。ところが穂別の町に入ると人だかりができていて、道には人が多く、歩道から道に人がはみ出している。この地域で、人が歩道にあふれるような情景にお目にかかるのは大変珍しい。まあ、日高のことだから、人だかりと言っても、全部かき集めてせいぜい100人で大したことはないのだが。どうやら町のお祭りのようなイベントで、露店まで出ている。どういった素性のものかわからない。地図を頼りに温泉施設を探す計画だったが、人のいないところばかりで運転している私は、この人の中を車で進む気が起こらない。

風呂はやめて夕張への道筋を検討していると、穂別には町の北方にもう一つ温泉施設があるのに気づいた。夕張に向かう道すがらなので、予定変更してこちらに向かう。こちらすぐに見つかった。周囲に人の気配はない。温泉の客は自分一人だけで、浴槽洗い場とも独り占めだ。だが施設はとても古く、昭和の設備がそのまま使用されているようにみえる。ひなびたというよりさびれたという印象の温泉施設である。天気はとても良く、露天風呂もあるのだが、周りが壁で囲まれていて眺望はないに等しい。風呂というより防火用水の溜池のように見え、風情は全くない。しかも、頭上には日差しを遮るものが何もなくて、肌が焦げるようでゆっくりと湯船につかってはいられない。せっかくの独り占めだが、なかなか楽しめずに、さっさとあがってしまった。

ここからいくつか丘を越えると夕張につく。夕張の町は、川沿いを走る道ぞいにある。穂別からやってきて、観光名所の旧夕張駅や石炭博物館の辺りに向かうと、町のメインストリートを、端から端まで走ることにになる。訪れたのは土曜日の昼過ぎだが、道端の店のどれもシャッターが降りていて、人の気配がない。旧夕張駅で写真を撮るため車を止めたところ、あいていて営業中らしい店を発見したが、人は見えない。

石炭博物館は、旧北炭のなんとかという炭坑の上に作られている。炭鉱を含め夕張の歴史を知ることができるという趣向の博物館だ。上質の石炭が発見された夕張では、1890年代に本格的に炭鉱が開発され、それに伴い町が拡大した。戦前は、重要なエネルギー源を生み出す場所として大いに栄えたそうで、展示の古い写真からその活気がうかがわれる。夕張市の人口は一時12万人を超えたそうだ。戦後は次第に採掘の採算がとれなくなり、結局鉱山はすべて閉鎖された。主力産業を失った夕張市からは人が流れ出し、2022年には国勢調査ベースで人口は7千人を下回っている。

夕張の歴史を学習した後、エスカレーターで地下におりる。地下の旧坑道の一部が博物館の中にとりこまれているのだ。外は天気がよく、この時期にしては暑いぐらいの陽気だったので、私は上着を着ていないが、地下坑道の中は大変寒い。我慢できずに、見学はそこそこに退散してしまった。

博物館から、来た道を戻っていく。博物館では人類を5人みたが、相変わらず道沿いには人の気配はない。すると突然、前方を右から左に鹿が横切るので徐行する。鹿は群れで行動するので、次の鹿も来る可能性を織り込まなければならない。鹿に衝突したら一大事である。思った通り、続いて数頭やって来るが、こいつらは悠々と歩いて道を横切り、歩道にたむろしている。ライトを点滅させて追い払おうとしたが、意に介さないから弱った。警笛を鳴らすと、ようやく立ち去る。結局、この日夕張で見た、歩道をいく生物はこの鹿の群れだけだった。


2023年5月某日

空港からの帰り、苫東中央で日高道に入ろうとしたら、浦河方面の入り口を閉鎖する作業をしている。時間は午後9時ころだ。作業をしている人に聞いたら、なんでも鹿が道に入ったとのこと。いつ頃通れるようになるかと聞いたら、動物侵入情報が入ったのはついさきほどで、鹿探しに行くのはこれからだという。いったいどこに何頭はいったのかはまだわからないから、道路の復旧はいつになるかわからないそうだ。迷惑な話だ。

しかも、日高道への入り口は一方通行、見える範囲には誰もいないとはいえ、これを逆走するわけにいかない。それゆえ私にはそのまま日高道に乗るしか手がないのだが、浦河方向が閉鎖されたので、浦河とは反対の札幌方向入り口に入らなければならない。いったん空港方向に、逆戻りさせられた。本当に迷惑な話だ。


2023年4月某日

今年の桜前線の北上は早い。新ひだか町によれば、新ひだか町の名所、二十間道路桜並木の桜は4月21日に開花、25日にすでに満開を迎えたそうだ。かつては5月に入ってからおもむろに開花し、連休が明けた頃に満開を迎えるものだったらしいが、近年は明らかに早まってきている。

桜などいつ咲いてもよさそうなものだが、連休中に見ごろを迎えるかどうかで、見物客の数が違ってくる。観光客をあてにしている人たちは、何とか連休中に見ごろを迎えるように祈っていることだろう。観光客目当てにこの時期にはウニの値段が跳ね上がるから買うべからず、と言われたことがあるが、ウニに限らず観光客値段になっているものは多いのではないだろうか。ただ、観光客相手の商売をする人たちは歓迎だろうが、 一般住民からしてみると、町の大動脈である国道の交通量増え、必ずしもありがたくはない。特に、毎週空港まで飛行機の出発時間を気にしながら車で行き来する私は、国道の流れが滞ると非常に困る。車が多いといっても流れていればそれほど所要時間は変わらないのだが、事故やトラブルが起こる確率は上がるだろう。

これも正確なデータに基づかない肌感覚だが、アスパラも観光客相手に値段が上がるものの一つだと思う。この辺りはアスパラガスの産地で、4月から6月の春アスパラシーズン中には新鮮なものが手に入る。私はアスパラが大好きで、シーズン中は毎日でも食べたいが、桜の時期は質・量・値段ともに普段とは違うように感じる。新千歳空港でも「獲れたてアスパラ」が土産物屋におかれているが、思わず目をむくような値段である。もっとも、この価格差は桜の時期以外でも顕著だが。

目をむくことなくアスパラを食べようと、庭ではアスパラを育てている。種から育てると、3年目くらいから立派なアスパラが収穫できる。アスパラの寿命は10年くらいらしいので、毎年少しずつ株を増やしている。我が家のアスパラはいわゆる路地ものなので、プロが作るハウス栽培に比べると収穫時期が遅くなる。今年は雪も少なくどちらかというと暖冬で、桜も早かったからアスパラも早いだろうと予想していたら、4月も終わろうとしているのにほとんど出てこない。昨年の記録をみると4月半ばから顔を出し始め、5月3日にはそこら中からにょきにょきと伸びてきていた。

はっきりした理由はよくわからないが、おそらくは暖冬で雪が少なかったのが原因の一つ。雪に覆われると、地面は暖かく保たれ、雪がないと凍結してしまう。それと4月前半の気温が低く、まだ地面が温まって来ていないのがもう一つの原因か。遅れるのならいいのだが、地中で凍死していないか心配である。


2023年3月某日

酒税が高いこともあり、シンガポールのビールは高い。ただ、海外大手会社のビールが飲める。私が出入りするビール売り子がいる場所でも、シンガポールの「Tiger」をはじめ、 「Heineken」、「Carlsberg」「青島」、「Guiness」など、飲める種類は10をこえているだろう。屋内は冷房で凍えるほど寒いから、ビールは屋外で飲むに限る。

そのように大手ビールの選択肢が多いということ、また自分が出入りする場所にはないという事情があったため、いわゆるクラフト・ビールには食指が伸びていなかった。ところが今回3年ぶりにじっくり探訪したら、知らないうちにクラフトビールの銘柄は増え、飲める場所も増えていると悟った。チャイナタウンのホーカーセンターにも、クラフトビール専門の店が複数入っている。冷房に悩まされることなく風に当たり、チャイナタウンの建物を見ながら、様々なクラフトビールが楽しめる。チャイナタウンに限らず、クラフトビールを手軽に飲める場所がたくさんできた。前からあったのに気づかなかった場所もあるが、尋ねてみると1年前・2年前にオープンしたというところが多い。

クラフトビールは味も香りもよいし、おもしろい。値段はただでさえ高いビールよりもさらに高いわけだが、高いほうが結局は飲む量が減るだろう。そんな言い訳を自分にしているうち、GoogleMapの力を借りて週末にクラフトビールが飲める場所をハシゴするという悪癖を身に着けてしまった。公共交通機関を駆使して1日に2・3軒行き、滞在中に10軒以上こなしたが、もとより自慢にはならぬ。きちんと記録をとっていないので飲む量が減ったかどうかはよくわからない。


2023年2月某日

話題のChatGPTを使いはじめた。これは評判通り、すごい。キーワードをいくつかいれれば、たちどころにまとな文章を書いてくれる。とにかく早いし、質が高い。たまさか「ミクロ経済学」の授業内容を簡潔に説明する必要があったので、ChatGPTに書かせたものを微修正して提出した。修正にかけた時間をいれても1分で作業終了。非常に便利である。

学校現場では、学生にどのようにエッセイやレポートを書かせるか、すでに深刻な問題になっている。いわゆる剽窃チェッカーも進化し、提出物がAIで書かれたものか、それとも学生本人が書いたものかを識別できるようになるというが、このあたりはイタチごっこが続くだろう。少なくとも、ChatGPTを利用すればたやすく着想を得られるため、授業など一切聞いてなくてもエッセイやレポートが書ける。

では、当のChatGPTは、これを深刻な問題だと認識しているのだろうか。試しに聞いてみたらこんな答えが返ってきた。(以下、原文ママ)

ChatGPTにより、学校現場でのエッセイやレポートの書き方についての教育や指導に対するアプローチは変化する可能性があります。しかし、それが深刻な問題を引き起こすとは限りません。

まず、ChatGPTが存在することが、学生が自分で調べた情報や自分自身のアイデアを元に独自のエッセイやレポートを書くことができなくなるということはありません。ChatGPTを使用することで、学生がより多くの情報やアイデアにアクセスできるようになりますが、それだけでエッセイやレポートを書くことができるわけではありません。

また、ChatGPTを利用することが認められる場合でも、学生には引用や参考文献の適切な扱いを含めたアカデミックな書き方の指導が必要です。さらに、学生がChatGPTを使用しても、そのエッセイやレポートがプログラムによって生成されたものであることを証明する方法もあります。

最後に、学生がChatGPTを使用することが認められる場合でも、学校は引き続き学生の独自のアイデアや研究を奨励し、剽窃を防止するために適切な対策を講じる必要があります。ChatGPTを使うことで学生がより質の高いエッセイやレポートを書くことができるようになることもありますが、それは教育の一部として慎重に取り入れる必要があります。

文章はもう少し磨けると思うが、とにかくあっぱれ。特に利用・使用を使い分けているのに感心する。


2023年1月某日

こんな夢を見た。

前もってワクチン接種証明を登録しておけば、日本への入国審査はてきぱきと終ると聞いた。マイナンバーカードをひっぱり出してきて、証明書をスマホに表示する。ダウンロードというボタンがあるからおしてみたら、保存できた。日本もなかなかやるじゃないか、とおもったら、保存したファイルが登録できない。日本国お墨付きのファイルだぞと気合を入れても、できないものはできない。

ファイルサイズが大きすぎるのではないですかと誰かが言うから、日本国純正ファイルだぞ、そんなバカなことがあるか、と一喝してやった。しかし他に手立てがなかったから、試しに画像を縮小したら、あっさり登録できた。日本の夜明けはまだ遠いぞ、と思ったら目が覚めた。